【信楽観光】器の魅力を堪能する旅 〜知る・買う・使う、焼き物巡り〜【後編】
日本六古窯のひとつ『信楽焼』をはじめとする、多彩な器の魅力に触れることができる信楽を巡る旅。
今回の記事は後編になります。後編を読まれる前に、こちらの前編をお読みください。
目次
午後から愉しむ旅のプラン
前編の最後では信楽陶芸村にいましたが、後編の記事は一度駐車場に戻り車で移動するスポットへ足を運びます。
◆後編のスケジュール(店舗間の移動が車)
13時40分~14時50分 「滋賀県立陶芸の森」で世界の陶芸を「知る」
15時00分~16時00分 「ギャラリーカフェENSOU」軽食の食事処で、信楽焼を愉しみながら「使う」
16時00分~17時00分 「信楽陶苑 たぬき村」で日本一の大狸を見て、信楽焼を「買う」
17時00分~18時40分 「GFC奥琵琶湖レイクシア」へ帰着
滋賀県立陶芸の森で世界の陶芸を「知る」
早速、車で移動し向かった先は「滋賀県立陶芸の森」。この施設は『信楽焼をベースに世界の陶芸の潮流を取り入れ、想像と遊び、自然と産業、技術が一体となった公園』として作られています。
この陶芸の森にはいくつかのスポットがありますが、今回はメジャーな3つの施設であるドーム型の陶芸美術館「陶芸館」、信楽の製品を展示している「信楽産業展示館」、世界中の陶芸作家の作品を設置している「星の広場」をご紹介します。
ドーム型の陶芸美術館「陶芸館」
この「陶芸館」では、その時々で様々な陶芸の展示を行っています。
今回取材で訪れたときには『躍動するアジア世界の陶磁』というテーマで、様々な多文化のアジア圏内の陶磁を展示していました。
この躍動するアジア陶磁では、東京都町田市にある「町田市立博物館」から中国と東南アジアの陶磁をお借りし、アジア陶磁の歴史を紹介する催し物でした。
130点以上も大きな陶磁が飾られていたので、とても興味深いイベントでしたよ。
信楽の製品を展示している「信楽産業展示館」
続いてご紹介するのは「信楽産業展示館」です。先程の陶芸館が世界の陶芸などを紹介するイベントを担当しているのであれば、この「信楽産業展示館」は産業としての信楽の「今」を発信する場所となっております。
現在信楽にある工房、信楽製品を販売する会社の各社の作品や製品がショップ&ギャラリーとして並べられています。
本当にたくさんの製品が並べられていますので、その雰囲気と一部の製品をご紹介いたしますね。
「信楽産業展示館」の雰囲気は、広々とした筒型の通路に工房や会社など分類分けされた製品が並べられています。
通行スペースはとても広く歩きやすいので、人とぶつかったりすることで、展示品の陶芸を割ってしまうような事はないでしょう。
こちらは「株式会社藤陶」が展示する製品です。全体的に淡い色味の製品が多く、とてもスタイリッシュで洗練されたデザインのものが多いですね。
こちらの会社は『普段に使える器』をコンセプトに、作家の手作り品から量産品まで食卓が明るくなるような陶器を販売しているそうです。
2つ目のご紹介は「株式会社三彩」の製品です。これまでのお皿や湯呑といったような小さな食器類ではなく、洗面台の部分が陶器でできているという変わった製品です。
「株式会社三彩」は「掘り出し倉庫 陶珍館」というお店を持っており、有名人のもの、作者不明のもの、モダンなもの、オーナメント等々、信楽でも見つけられない掘り出し物の陶器を販売している面白い会社です。
こちらも一度足を運んでみても面白そうですね。
3つ目のご紹介は、「ツジ久陶器株式会社」の作品です。白を基調とした陶器には赤や黄色・青といった可愛らしいデザインのものが多いですね。
こちらの会社は創業100年の歴史があり、食器や花瓶、傘立てなど多彩な信楽焼を多数取り揃えている会社になります。
世界中の陶芸作家の作品を設置している「星の広場」
こちらは陶芸の森にある「星の広場」になります。開けた芝生のあるスペースに、世界中の陶芸作家の作品が展示されている場所です。
例えばこちらは、1993年に韓国のイム・ヨンソンさんが『誕生』という名前で作った作品になります。
そして「星の広場」で1番目立つこの大きな青い展示物は、2007年にイタリアの作家、サンドロ・ロレンティーニさんが作成した『炎の人』という作品です。
このほかにも十数点の作品が展示されているので、実際に目で見て愉しんでみてはいかがでしょうか?
「ギャラリーカフェENSOU」軽食の食事処で、信楽焼を愉しみながら「使う」
陶芸の森で数多くの作品を見て愉しんだ後は、「ギャラリーカフェENSOU」で休んでみるのも良いでしょう。「ENSOU」は古民家を改装したおしゃれなカフェ、軽食の提供に信楽焼きを使用するお店です。
店内は木のぬくもりが感じられる空間となっています。木目調のある大きなテーブルに太陽の光が差し込む大きな窓、1部の壁際には書棚がありレトロなものが飾られています。
この落ち着いた空間には、若い女性からご年配のご夫婦までたくさんの年齢層の方が癒しを求めて来店される事で有名です。
また土日など混みあう時にはお店に入れないこともあるため、事前予約をしておくと安心です。
店内では様々なタルトを愉しむことができます。今回取材したタイミングでは写真の9種類のスイーツを注文することができました。
文字で書かれたメニューももちろんあるのですが、注文前に実際のスイーツが乗ったプレートを目の前で見せてくれるため、スイーツのイメージがしやすくていいですね。
季節のフルーツを使ったタルトを提供してくれるため、その時々で商品が異なります。ぜひ好きなフルーツを使ったタルトを堪能してみてはいかがでしょうか。
信楽陶苑 たぬき村で日本一の大狸を見て、信楽焼を「買う」
そして最後に訪れたのは、日本一の大狸で有名な「信楽陶苑 たぬき村」です。信楽と言えばたぬきのイメージが非常に強いですが、このたぬき村はまさにそのイメージ通り、たぬきの陶器がたくさん並ぶお店です。
店内に入ってみると、角から隅までたぬきで埋め尽くされています。
そのたぬきも一つ一つ表情が違い、大きいものから小さいものまで豊富に揃っています。中にはたぬきではなくてふくろうも置かれていますが、基本的にはたぬきの商品が中心になります。
たぬきといっても、こちらの陶器のコップのように可愛らしいデザインの商品もたくさん置いています。こういったデザインのたぬきの商品なら普段使いもしやすそうなので、購入してみても良いのではないでしょうか。
「GFC奥琵琶湖レイクシア」を拠点に、器をとことん愉しむ信楽の旅へ
今回は信楽焼きを中心とした器の魅力を愉しむ旅をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
前編と後編で紹介したスポット、これらすべては1日で巡ることができるようになっています。
信楽焼と言う文化は、実際に行って目で見て手で触れてから感じる事がとても多い文化です。例えば信楽焼を手で持ってみるととても軽い事や、カラーバリエーションやデザインが想像以上に豊富だったりと、驚く事がたくさんあると思います。
旅の中で家の食器類を全て信楽焼で揃えると言う愉しみ方も見つけられる方もいるでしょう。ぜひ一度信楽で器に触れる旅を愉しんでみてはいかがでしょうか。