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奥琵琶湖レイクシア周辺情報

【信楽観光】器の魅力を堪能する旅 〜知る・買う・使う、焼き物巡り〜【前編】

日本六古窯のひとつ『信楽焼』をはじめとする、多彩な器の魅力に触れることができる信楽。今回の記事では1975年(昭和50年)に国の伝統的工芸品として指定された信楽焼の歴史を学びながら、他の個性豊かな焼き物たちとの出会いの愉しみ方を現地の写真を使って紹介します。

信楽焼を中心に、その作陶の技や美しさに魅了される施設での学び、さまざまな焼き物を購入できる店での発見、そしてお気に入りの器で美食を堪能するカフェでのひととき。「知る・買う・使う」の3つの体験を通じて、信楽焼だけでなく、日本の器文化を味わう特別な旅行プランの一つとしてぜひ検討してみてはいかがでしょうか。

 

器を愉しむ旅のプラン

今回の旅のプランはこちらです。

◆前編(店舗間の移動が徒歩)
8時50分~10時30分  GFC奥琵琶湖レイクシアから信楽駅近くの無料観光車用駐車場に車で到着。徒歩で移動を開始。
10時35分~11時00分 信楽焼ミュージアムにて信楽焼きの歴史や文化を「知る」
11時00分~12時00分 登り窯カフェで食事処として器を「使う」
12時00分~13時30分 信楽散策路にある信楽焼きの工房を巡り、雰囲気を「知る」

◆後編(店舗間の移動が車)
13時30分~13時40分 駐車場に戻り、車で移動
13時40分~14時50分 滋賀県立陶芸の森で世界の陶芸を「知る」
15時00分~16時00分 ギャラリーカフェENSOU にて、焼き物を愉しみながら軽食の食事処として器を「使う」
16時00分~17時00分  信楽陶苑 たぬき村で日本一の大狸を見て、信楽焼を「買う」
17時00分~18時40分 GFC奥琵琶湖レイクシアへ帰着

GFC奥琵琶湖レイクシアから無理なく、愉しめるタイムスケジュールにしています。また、記事では紹介する内容が多くなるため、前編と後編に分けて紹介します。
※本記事は前編です。

※今回ご紹介した施設・お店について、予期せず臨時休業となる場合がございます。お越しの際は、事前に電話やSNS等にてご確認いただく事をおすすめします。

GFC奥琵琶湖レイクシアから信楽駅へ到着

GFC奥琵琶湖レイクシアから車で約1時間半ほど走ると、信楽駅のすぐ近くにある無料の観光駐車場に到着します。駐車場のサイズは広く、数十台は車を駐車できる広さがあります。

奥には緑豊かな山が見え、ぽつりぽつりと住居が並ぶ雰囲気は都会にはない田舎独特の良さを感じさせますね。

無料の観光駐車場は探せば他にもありますが、ここはその中でも1番わかりやすい位置にありますので、ぜひご利用ください。

 

「信楽焼ミュージアム」にて信楽焼きの歴史や文化を「知る」


さて、早速第一の目的地である「信楽焼ミュージアム」がこちらです。
先程の無料の観光駐車場から見える位置にあるので徒歩3分もかかりません。
雰囲気は町の産業会館といった風貌なので、ぐるりと見学してもそんなに多くの時間はかからないでしょう。

実は「信楽焼ミュージアム」に最初に立ち寄ると良いことが1つあります。それは信楽甲賀の観光マップがここに一式揃っている事です。
ネット上で観光地の情報を調べることも大変便利ですが、観光地にある観光パンフレットは非常に網羅的に情報が載っているので、気になるパンフレットだけでももらっておくと非常に便利ですよ。

なお今回の旅では紹介しませんが、実は信楽は人気ドラマ「スカーレット」の撮影地でもあります。器を巡りながらドラマのロケ地を巡っていく、そういった愉しみ方もできるので、ドラマ好きの方にはセットで旅を愉しむ事もできますよ。

「信楽焼ミュージアム」の中に入ると小さな通路、そして受付窓口があります。こちらの施設は無料の施設なので、このまま展示エリアまで進んでいただいて大丈夫です。

展示エリアには常設のエリアと、その時々で開催しているイベントの展示物があります。

今回は常設エリアのみをご紹介いたしますね。

 

信楽焼の創成記と焼き物の特徴


まず入口から見た常設の展示エリアの雰囲気はこのような雰囲気になります。

様々な形の信楽焼が展示されていますね。

また壁には信楽焼が発展した歴史やどういった土を使って信楽焼が作られているのか、どういった特徴が信楽焼を表すのか、そういった信楽焼の包括的な情報がこちらに紹介されています。

信楽焼の始まりは13世紀後半鎌倉時代だと言われており、14世紀には信楽焼独特の作風を確立されたと紹介されていますね。信楽焼は素地が明るく、赤褐色に焼き上がると緋色になる事が大きな特徴の1つです。

また材料となる土に含まれた長石が溶け、白いガラス状の粒となって焼き物の表面に浮き出る事で蟹の目のように見える「蟹の目」や、壺の口が二重になっている「二重口」も信楽焼きの特徴として有名ですね。

こういった信楽焼の特徴を知った上で展示物を見ると、一見違ったデザインに見える焼き物も共通点がわかるので、非常に興味深く感じますよ。

 

信楽焼の発展期


14世紀に特徴を確立させた信楽焼ですが、ある時期にさらなる発展を遂げていきます。それは茶の湯文化の変革期と重なった時期です。

もともと日本のお茶は中国文化を受けて発展してきていましたが、14世紀に日本の独特の感性を取り込んで発展していったこともあり、信楽焼の焼き物が用いられるようになりました。これが発展期です。

また焼き物の歴史も古い信楽ですが、同時にお茶の産地としても非常に長い歴史を誇っています。
そのため信楽の壺は15世紀の初期には茶葉詰めの容器に使用されることになり、16世紀には唐物や南蛮物の茶壷と並んで、高い評価を受けるほどにまで発展をしていきます。

当時流行していたお茶と保存する焼き物が同じ産地で作られていたとなれば、急速に発展していくのは頷ける歴史ですね。

 

連結式登窯の登場と近代化


信楽焼と言えば有名な言葉の1つに登り窯がありますね。

もともと信楽焼では焼き物を焼く際に穴窯を使っていましたが、江戸時代に入ると連結した複数の登り窯が登場し一気に大量の信楽焼を生産することができるようになりました。

この画期的な登り窯の登場により、18世紀の中頃以降には小物作りやお椀、土瓶などこれまで以上に様々な焼き物が作られていくようになります。

そしてさらに時代は進み、昭和14年頃からはリヤカーが使われるようになり大量運送の必要から大型トラックが使われるようになります。

現在は大量運搬の必要性がなくなり、大型トラックが使用されなくなりましたが、こういった運搬具が進歩したと同時に信楽焼もまた普及を広げてきました。

 

「信楽焼ミュージアム」の魅力


信楽焼とは中国から伝来した焼き物を信楽の地の土を使い、そして日本文化の茶道の発展とともに信楽焼も発展し、運搬具の進化とともにさらなる普及を見せてきた、まさに1つの大きな焼き物の歴史といえます。

日本の歴史を学校で習う事はあっても視点を変えて信楽焼の視点から続く日本の歴史を追うと、また見え方が違って面白いですね。

「信楽焼ミュージアム」で学べる概要は、この記事でも紹介しましたが、現地ではもっと細かく実物を使って説明してくれています。

ぜひ一度足を運んでみてはいかがでしょうか。

◆信楽焼ミュージアム

住所:〒529-1851 滋賀県甲賀市信楽町長野
電話番号:0748-82-2345
開館時間:9:00~17:00
休館日:毎週木曜日(木曜日が祝日の場合は開館し、翌日が休館)、年末年始
入館料:無料
参考サイト:https://www.city.koka.lg.jp/shigarakiyaki/

 

「信楽陶芸村」の「のぼり窯カフェ」で魅力的な器を「使う」


続いては、「信楽陶芸村」の中にある「のぼり窯カフェ」をご紹介します。

「信楽陶芸村」と言うと写真のようにタヌキがたくさん迎えてくれ、工房と観光地を兼ね備えた施設になります。

信楽は閑静な観光地ですが、こちらの「信楽陶芸村」は学生たちの修学旅行でも訪れることもあるそうで、時間や季節によっては賑やかな場所となります。

そんな「信楽陶芸村」の中にある「のぼり窯カフェ」。

その受付口がこちらの建物になります小さな小屋になりますので、この看板を目印に入っていくのが良いでしょう。

こちらで食べられるのはカフェメニューになりますので、スイーツを中心とした軽食のみになります。

注文を伝えると、今回の目玉観光スポットの一つである登り窯の方へ向かいます。写真に写っている登り窯の一つ一つの穴の中がカフェスペースとなっています。

中はこのようなスペースとなっており、4人がけのテーブルが三卓、そして登り窯の中なので比較的ひんやりとしたスペースになっております。

こういった変わったスペースで食事を取ると言うのも観光地ならではの愉しみ方ですよね。

特に登り窯と言う信楽焼の名物である観光スポットをそのままカフェスペースとして使えるのは非常に良い経験になりますよ。

そして運ばれてきた料理がこちら。

今回注文しているのはバニラアイスと黒炭ロールケーキ、そしてかわいいたぬきの器を使った信楽朝宮の名物「和紅茶」です。

黒炭のロールケーキは爽やかな抹茶で苦味が少なく食べやすいのが魅力。黒炭のスポンジはふわっとした食感で、また抹茶と黒炭の風味が合わさる事で和を感じるような味わいです。

そして名物の和紅茶はすっきりと飲みやすく、甘いロールケーキやバニラアイスと非常に合いますね。

◆信楽陶芸村

住所:〒529-1851 滋賀県甲賀市信楽町長野1131
電話番号:0748-82-0522
開館時間:9:00~17:00
休館日:年中無休
入場料:無料
参考サイト:https://tougeimura.jp/

◆のぼり窯カフェ

住所:〒529-1851 滋賀県甲賀市信楽町長野1131
電話番号:0748-82-0522
営業時間:10:00~16:00
定休日:年中無休
参考サイト:https://tougeimura.jp/cafe/
※週末や連休など繁忙期は満席の場合がございますので事前にご確認をお願いいたします。

 

信楽窯元散策路にある信楽焼きの工房を巡り、雰囲気を「知る」

軽食を愉しんだ後は信楽の窯元散策路を自由に歩き回ってみましょう。

窯元の位置が記されたマップが『窯元散策路』というホームページに公開されていますので、気になる窯元を見つけては、そこに向かうといいでしょう。

今回の記事では実際に歩いてみて気になった窯元を1つ紹介しますね。

余談ですが、窯元散策路は車でも移動できる場所が多いですが、今回のように徒歩で歩くと道路にROKUROといったモチーフが描かれていると言う気づきもあります。

観光地は足で歩けるところは足で歩く、そちらの方が愉しみが増えますよ。

 

工房Ogama(おおがま)


今回唯一ご紹介するのは『飾らない信楽を体験できる場所』として発信している「Ogama(おおがま)」です。

こちらの工房では伝統である古きを守る、それだけではなく時代に合ったモノやコトを提案するというコンセプトで活動されている工房になります。

実際に工房の中を拝見すると、「信楽ミュージアム」で見たような茶色いいかにも焼き物といった器だけではありません。色とりどりの焼き物や、きれいな白をコンセプトにしたような器が多く置いてあります。

古き良き焼き物だけではなく、こういった時代にあったセンスの良い焼き物が数多く置いてあるこの「Ogama」は、写真のように可愛らしいものからスタイリッシュなものまでたくさん置いています。

他の工房とは少し違った雰囲気を感じることができるので、ぜひ一度足を運んでみてはいかがでしょうか。

◆工房Ogama(おおがま)

住所:〒529-1851 滋賀県甲賀市信楽町長野947
電話番号:0748-82-8066
営業時間:10:00~16:30
定休日:毎週水・木曜日
参考サイト:https://www.meizan.info/ogama/

>>後編へ続く(12月中旬の公開を予定しております)

この記事を書いた人
てくてく
旅行・グルメライター。普段は滋賀の美味しいもの、愉しいスポットなど魅力を伝える「滋賀てくてくガイド」を運営

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