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奥琵琶湖レイクシア周辺情報

幻の花・梅花藻の名所、醒ヶ井へ。涼を愉しむ夏のおすすめ滋賀観光

連日猛暑が続く日本の夏。旅行やおでかけをするなら、涼やかに愉しめるスポットへ足を運びたいものですよね。

今回は、関西屈指の水の都、滋賀県・醒ヶ井をご紹介。豊かな清流に恵まれたこの地は、国内でも珍しい“梅花藻”の名所としても知られています。

近隣の“水”にまつわる歴史スポットと共に、醒ヶ井の魅力をご紹介しましょう。

 

幻の水中花・梅花藻を探して

JR大阪駅から新快速電車に乗り、滋賀県・米原へ。そこからJR東海道本線大垣行に乗り換え、1駅進んだ先に醒ヶ井があります。

所要時間は大阪駅から1時間35分。滋賀の観光名所である彦根や近江八幡にもアクセスしやすく、夏には多くの観光客が訪れます。

駅から歩みを進めていくと、小さな川を発見。覗いてみると、流れに身を任せるようにたゆたう、鮮やかな緑色の藻が見えました。

これこそが、醒ヶ井を象徴する水中花・梅花藻です。

水の流れに負けぬよう、健気に咲く白い花。その見た目が“梅の花”に見えることから、“梅花藻”と名付けられました。

「今まで見たことが無い」という方も多いかと思われますが、それもそのはず。

この梅花藻は水温が14℃前後に保たれた美しい水の中でしか育たず、生育環境が限られているため、めったに目にすることができない花なのです。

そんな梅花藻に出会える醒ヶ井は、まさに豊かな水の宝庫。

南には標高1,094mの霊仙山があり、豊富な水量を保つ伏流水が、醒ヶ井を走る地蔵川や宗谷川を形作ります。

また、北にそびえ立つのは標高1,377mの伊吹山。冬に大量に積もった雪が雪解け水として流れ込み、人々の生活を支えています。

絶え間なく流れる美しい水とその清流が織りなす情緒あふれる風景から、醒ヶ井を流れる地蔵川は2008年『平成の名水百選』で1位を獲得。

さらに、梅花藻と同じく清冽な水の中でしか育たない貴重な淡水魚・ハリヨの保護区に指定されています。

ちなみに梅花藻は大雨で川が増水すると花が沈んでしまうので、鑑賞するなら晴れの日が数日続いた後がおすすめ。

水面からちょこんと真っ白な花をのぞかせる姿は、なんとも愛らしく、心を和やかにしてくれます。

写真を撮影される方は、カメラやレンズを水没させたり、撮影の際、藻や花を傷つけないように注意してくださいね。

 

清流の源はどこにある?居醒の清水と加茂神社

それでは、可憐に咲く梅花藻を眺めながら、醒ヶ井の町を散策してみましょう。

醒ヶ井は江戸時代、中山道の61番目の宿場町として整備されたこともあり、現在でも当時の面影が残っています。

道中には150年の伝統に裏打ちされた木彫りの歴史を今に伝える「醒井木彫美術館」や、醒ヶ井の名水で仕込んだ風味豊かな醤油が愉しめる「醤油屋喜代治商店」など、長く人々に愛されてきた文化施設や老舗の名店が並びます。

名立たる大名や役人たちも、清らかな水とのどかな風景に心潤しながら、旅の疲れを癒したことでしょう。

そんな宿場町を歩いていくと、天高く腕を上げる巨大な像が見えてきます。

この像のモデルは、日本武尊(ヤマトタケルノミコト)。日本最古の書物『古事記』や『日本書紀』にもその名を連ねる、古代日本の皇族です。

実はヤマトタケルノミコトは、この醒ヶ井の地に深く関わっていたと言われています。

景行天皇の時代、伊吹山に住み着いた大蛇の討伐を命じられたヤマトタケルノミコト。自慢の剣で見事大蛇を倒したものの、戦闘中に浴びた大蛇の猛毒に苦しみます。

毒が体をむしばむ中、満身創痍で辿り着いたのが、ここ醒ヶ井。この地に湧き出る清水で体や足を冷やしたところ、たちまち回復し、動けるようになったと言います。

ヤマトタケルノミコトが実際に身を清めたとされているのが、こちらの、「居醒の清水」

“醒ヶ井”の名前は、この“居醒”が変化して生まれた言葉なのだとか。

現在でも一日約1.5トンもの水が湧き出ており、水道が完備される昭和37年までは飲料水として人々に親しまれてきたという歴史もうなずけます。

居醒の清水を訪れたら、お隣の「加茂神社」にもお参りに行きましょう。

こちらの御神祭は“別雷神命(わけいかづちのみこと)”。雨や治水、農業の神として信仰されており、農業の保護や雨乞い、開運、厄除けにご利益があると言われています。

1959年、名神高速道路の建設に伴い移転を余儀なくされた加茂神社でしたが、現在では高台から醒ヶ井の町を優しく見守られています。

 

さらに発見!水にまつわる醒ヶ井の観光スポット

醒ヶ井駅から徒歩5分程度の場所にあるのは、苔むしたダイナミックな石壁に目を奪われる「西行水」。こんこんと水が湧き出るこの地には、かつて茶屋が存在したそうです。

関東方面へ向かう旅の途中、その茶屋に立ち寄ったのが、歌人である西行法師。彼が飲み残した茶の泡を店で働く娘が飲んだところ、なんと懐妊し、男の子を出産。

西行法師が再度茶屋を訪れた際、娘がそのことを話すと、西行法師は「もし我が子なら、元の姿に戻れ」と唱えます。すると、男の子はたちまち元の泡の姿に戻ったのだとか。

これを見た西行法師は、この地に五重塔を建築。「泡子墓 一煎一服一期終 即今端的霊脚泡」と記し、束の間の命となった我が子を大切に祀っています。

緑に包まれた荘厳な空間には、石造りの塔の他、お地蔵さまがいくつも点在。賽の河原で子供たちを守るように、泡と消えた子供を見守っているのでしょうか。

「西行水」の傍らにあるのは、水琴窟。ひしゃくで清水をすくい入れ耳を澄ますと、鈴の音のような軽やかな音色が聞こえてきます。

次にご紹介するのは、醒ヶ井宿の入口付近にある、こちらの「十王水」。平安中期、天台宗の高僧・浄三法師が諸国遍歴の途中、この水源を開き、仏縁を結んだと伝えられています。

また、加茂神社へ向かう道中に祀られているのは、「醒井延命地蔵尊縁起」。干ばつに苦しむ人々を救うため、伝教大師(最澄)が醒ヶ井を訪ねたところ、白髪の老翁が出現。

「地蔵尊の像を刻み安置せよ」との言葉を受け、その通りにしたところ、大雨が三日間降り続き、田畑がよみがえったのだとか。実はその老翁は水の守護神だったと言い伝えられています。

醒ヶ井の歴史をもっと知りたい方は、旧醒ヶ井郵便局の建物を生かして作られた「米原市醒井宿資料館」へ。

木造2階建てのレトロな建物は、日本における『西洋建築の父』ウィリアム・メレル・ヴォーリズによって設計されたもの。

創建から100年以上経過した今でも色褪せることのない風格を魅せ、現在では国の登録文化財に指定されています。

建物の2階部分では江戸時代を通じて醒井宿の庄屋や問屋場を務めていた江龍宗左衛門家に伝わっていた古文書が展示されており、当時の賑わいを今に伝えます。

昔ながらの建築美を愉しむとともに、知的ロマンあふれる歴史探求をしてみてはいかがでしょうか。

 

GFC奥琵琶湖レイクシアを拠点に、滋賀・醒ヶ井の納涼旅へ

豊かな自然の恵みと昔ながらの人々の営みがいまなお生き続ける滋賀県・醒ヶ井。

今回この地を取材し、ヤマトタケルノミコト像のもとへ訪れた際、今までの熱気が嘘のように、凛と空気が変わる瞬間がなんとも印象的でした。

水面に咲く梅花藻に心癒されるも良し、趣ある宿場町を散策しながら歴史情緒を感じるも良し。

古き良き日本の原風景を嗜みながら、涼を愉しむ夏の旅をご堪能ください。

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