【北アルプス国際芸術祭2024開催決定!】芸術の秋は、長野で美術館&アート巡り
2018年度、文部科学省の調べによると、長野県内の博物・美術館数は、なんと345館!※1
美術館数だけで見ると、日本国内の美術館の約10%を長野県が占めているといわれています。
さらに、2024年には同県で3回目となる『北アルプス国際芸術祭2024』が開催。現地では芸術の秋にふさわしい盛り上がりを見せています。
今回は気になる芸術祭の詳細と共に、長野県でおすすめの美術館を5つご紹介。
ご家族やご友人同士で愉しく、おひとりでじっくりと。自分好みのスタイルで、素敵なアート旅をご堪能ください。
※(*1)「しあわせ信州」長野県産業労働部 営業局 『データで知る信州』参照
目次
【大町市】北アルプス国際芸術祭2024
2017年の初開催以来、今年で3回目となる『北アルプス国際芸術祭』。今回は山の自然と人間の生活が浸透し合う美しい土地・大町市を舞台に、10の国や地域から集う31組のアーティストが思い思いの作品を表現します。
芸術文化の創造性を活かし、地域資源と結びつけることで、まちの潜在的な魅力を引き出し、市民が協働で個性的なまちづくりを進める取り組みの一環として立ち上がった、こちらのプロジェクト。大町市の北の玄関口となる“仁科三湖エリア”をはじめ、東山エリア、市街地エリア、源流エリア、ダムエリアの5つのエリアで作品が展開されています。
例えば、東京とモスクワを拠点に活動する建築家ユニット、アレクサンドラ・コヴァレヴァ&佐藤敬/KASAが手がける彫刻作品『水の記憶』は、仁科三湖の中央に位置する中綱湖の“水”がモチーフ。時に雫を、時に木の葉を、時に一羽の蝶を思わせるその姿は、見る場所や時間帯によって印象が変化。湖に映る姿も相まって、神秘的な風景を作り出します。
塩を題材に、床に巨大な模様を描くインスタレーション作品を長年作り続けてきた山本基(もとい)は、千国街道の宿場町として栄えた大町の歴史が残る「塩の道ちょうじや」の塩蔵にて自身の作品『時に宿る』を展開。枯山水を彷彿とさせる静謐の世界が、“塩の道”として親しまれた土地の記憶を呼び覚まします。
さらに、現地では地元女衆「YAMANBAガールズ」がおいしい手料理をふるまう「カフェ&レストランYAMANBA」が期間限定でオープン。山菜や川魚、漬けものや甘酒といった発酵食品など、地元の美味を取り入れた郷土料理をお愉しみいただけます。
会場では地元のツアーガイドの案内と共に芸術祭を満喫できるオフィシャルツアーや、3つのコースでアートを巡るアートバスをご用意。大町市の風土や環境、歴史からインスピレーションを受けたアーティストたちの作品群と、紅葉に染まる大自然との見事な融合美を、心ゆくまでお愉しみください。
◆北アルプス国際芸術祭2024
会期:2024年9月13日(金)~11月4日(月・祝)
開催地:長野県大町市
鑑賞時間:9:00~16:30
定休日:毎週水曜日
電話番号:0261-85-0133
ホームページ:https://shinano-omachi.jp/
芸術祭と合わせて行きたい!長野県でおすすめの美術館5選
【長野市】長野県立美術館
JR長野駅からバスと徒歩で約20分。開館から50数年の時を経て、2021年4月にリニューアルオープンした「長野県立美術館」は、郷土作家の作品や信州の風景画を中心に収蔵・展示を行う、地元に根差した美術館です。
“ランドスケープ・ミュージアム”をコンセプトに建てられたこちらの美術館は、美しい自然の風景と調和した造りが魅力。屋上にある“風テラス”では、ダイナミックな長野の山並みと国宝・善光寺本堂を望む、素晴らしい景観を愉しむことができます。
中でも特に訪れていただきたいのが、敷地内にある「東山魁夷館」。日本画界の巨匠・東山魁夷の代表作『緑響く』『白馬の森』など36点の本制作をはじめ、貴重な初期作品やスケッチ、唐招提寺御影障壁画の試作といった、970余点にも及ぶコレクションが揃います。
枠にとらわれない現代美術の展示が多いのも人気のひとつ。人工的に発生させた大量の霧で幻想的な世界を作り出す芸術家・中谷芙二子のインスタレーション作品『霧の彫刻』は、鑑賞者もまるでアートの一部になったかのような、不思議な感覚を味わうことができます。
◆長野県立美術館
住所:〒380-0801 長野県長野市箱清水1-4-4
営業時間:9:00~17:00(展示室入場は16:30まで)
電話番号:050-5542-8600(ハローダイヤル)
ホームページ:https://nagano.art.museum/
【松本市】松本市美術館
JR松本駅から歩いて約12分。真っ赤なドット柄がひときわ目を惹く「松本市美術館」は、2022年4月にリニューアルオープンしたばかり。松本市出身の芸術家・草間彌生をはじめ、長野県にゆかりの深いアーティストの作品が数多く展示されています。
まず入り口で存在感を放つのは、建物3階分にも及ぶ巨大な草間彌生の立体作品『幻の華』。生命力あふれるカラフルなビジュアルは、写真映えすること間違いなし!
常設展では草間彌生をはじめ、書家・上條信山や画家・田村一男の作品を公開。さらに、正岡子規をはじめとする明治~昭和初期の文人たちの名品を集めた蒐集家・池上喜作珠玉のコレクションもお愉しみいただけます。どれも見ごたえがあるので、時間を気にせず過ごせる、ひとり旅におすすめです。
松本市内を走るバスにも注目!草間彌生がデザインした、世界にたった1台しか無い幻のラッピングバス“クサマバス水玉乱舞号”が、街を周遊しています。偶然バスに出会えたら、乗車や写真撮影のチャンスをお見逃しなく。
◆松本市美術館
住所:〒390-0811 長野県松本市中央4丁目2−22
営業時間:9:00~17:00(入館は16:30まで)
電話番号:0263-39-7400
ホームページ:https://matsumoto-artmuse.jp/
【北安曇野郡】安曇野ちひろ美術館
JR信濃松川駅より車で5分の場所にある、絵本作家・いわさきちひろの世界を体感する「安曇野ちひろ美術館」。こちらの美術館がある松川村は、戦後いわさきちひろの両親が開拓農民として暮らした土地。ちひろ自身も長野県を“心のふるさと”と称し、多くのスケッチを残しています。
安曇野の自然にとけこむようデザインされた美術館には、初期の素描や水彩画、信州との深い結びつきを示す作品など、約80点を展示。
また、“世界中の絵本を楽しむ美術館”として、世界各国の絵本画家の作品と絵本の歴史を知る展示室が設けられています。その絵本の収蔵数は、なんと25,800点!絵本の美術館として、世界最大級のスケールを誇ります。
美術館の周囲には、北アルプスを望む“安曇野ちひろ公園”が広がり、長野の自然を満喫することができます。
公園内には名作『窓際のトットちゃん』の世界を表現した“トットちゃん広場”も。作品内に登場する“電車の教室”が再現されており、ファンにはたまらない聖地となっています。
◆安曇野ちひろ美術館
住所:〒399-8501 長野県北安曇郡松川村西原3358−24
営業時間:3月1日~12月4日/10:00~17:00(3月は16:00閉館)
電話番号:0261-62-0772
ホームページ:https://chihiro.jp/azumino/
【軽井沢町】軽井沢千住博美術館
しなの鉄道中軽井沢駅から車で5分。日本を代表する画家・千住博と、数々の斬新な美術館を手がけた建築家・西沢立衛がタッグを組み開設された「軽井沢千住博美術館」。
世界最古の国際美術展、ヴェネツィア・ビエンナーレ絵画部門にて、東洋人初の名誉賞を受賞。羽田空港のアートディレクションやグランドハイアット東京の壁画制作などを手掛けた千住博の貴重な作品群をご鑑賞いただけます。
総ガラス張りの建物は、館内に差し込む光が心地よく、まるで軽井沢の森の中にいる気分。床は元の土地の起伏をそのまま生かした、革新的なデザインとなっています。この手法は、遮光やセキュリティの問題から、暗く閉じた空間になりやすい美術館の建築様式を大きく変えました。
美術館を満喫したら、ぜひ敷地内にある“カラーリーフガーデン”へ。こちらには150種類・約6万株の木々や草花が植えられており、四季折々、色彩豊かな風景をご覧いただけます。ひとり旅の合間に、ピクニック気分で散策するのもおすすめです。
◆軽井沢千住博美術館
住所:〒389-0111 長野県北佐久郡軽井沢町長倉815
営業時間:9:30~17:00(入館は16:30まで)
電話番号:0267-46-6565
ホームページ:https://www.senju-museum.jp/
【上田市】美ヶ原高原美術館
長野県の中心部、八ヶ岳中信高原国定公園の北東部に位置する“美ヶ原高原”。標高約2,000m、“日本一美しい高原”ともいわれるこの場所に、ユニークな彫刻美術館「美ヶ原高原美術館」がございます。
緑豊かな草原に展示されているのは、国内外のアーティストが手掛けた、およそ350点の現代彫刻!決められたルートがなく、好きな作品を自由に見てまわれるので、気ままなひとり旅にぴったりです。
中でもおすすめは、美術館の一番高台に建つ“ビーナスの城”。ヨーロッパ中世の古城を思わせる館内には、“ミロのヴィーナス像”をはじめ、ダヴィデ像やアポロ像など、イタリアの大理石の産地・カラーラで制作された、精緻な彫刻作品を見ることができます。さらに古城の屋上は、日本アルプスから富士山まで360度雄大な景色を一望できるスポットとして、人気を集めています。
交通アクセスは車のみ。夏期は路線バスも運行していますが、本数が少ないので、遠方の方はレンタカーを借りるのがおすすめです。近くにはハイキングコースもあるので、紅葉シーズンのおでかけにいかがですか?
◆美ヶ原高原美術館
住所:〒386-0507 長野県上田市武石上本入2085−70
営業時間:9:00~17:00(入場は16:30まで)
電話番号:0268-86-2331(代表)/0268-85-2111(冬季:12月~3月)
ホームページ:https://www.utsukushi-oam.jp/
「GFC白馬リフラシア」を拠点に、感性を磨くアート巡りへ
今回は『北アルプス国際芸術祭』の見所と、長野観光におすすめの美術館をご紹介しました。
長野県には今なお手つかずの自然が多く残り、名立たるアーティストたちが作品へのインスピレーションを得た場所としても親しまれています。
そんな長野の豊かな自然を満喫できる宿泊施設が、完全会員制プライベートリゾート『GFC白馬リフラシア』。
壮麗な北アルプスを望む高原に、白壁のレセプション&レストランと丸太造りのログハウスをゆったり配置しています。木のぬくもりあふれる空間は、美術館巡りで疲れた体を癒してくれることでしょう。
お食事には、ぜひGFC白馬併設のレストラン『白芭蕉』へ。信州牛や“はくば豚”など長野のおいしい恵みをふんだんに使ったフレンチコースや、これからの時期にぴったりの鍋料理をお愉しみいただけます。
時間に縛られることなく、のんびり優雅に芸術の世界に浸れる“長野アート旅”。この秋はGFC白馬リフラシアを拠点に美術館を巡りながら、感性を磨いてみませんか?