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滋賀県の長浜鉄道スクエアは、日本の鉄道の歴史を学べる鉄道博物館

滋賀県にある「長浜鉄道スクエア」は、日本の鉄道の歴史を学べる鉄道博物館です。

「旧長浜駅舎」「北陸線電化記念館」「長浜鉄道文化館」の3つの施設から、日本の鉄道の歴史をみて・ふれて・知って、詳しく学ぶことができる人気の観光スポットです。

今回は、滋賀県の鉄道博物館「長浜鉄道スクエア」の魅力を、まとめてご紹介します。

 

3つの施設で構成されている鉄道博物館「長浜鉄道スクエア」

滋賀県長浜市にある「長浜鉄道スクエア」は長浜市立の鉄道博物館。現存する日本最古の鉄道駅舎「旧長浜駅舎」、本物のSL列車とディーゼル列車を展示する「北陸線電化記念館」、長浜の鉄道文化を後世に伝える「長浜鉄道文化館」の3つの施設で構成されています。

長浜鉄道スクエアの外観・白い建物が、1882年3月に北陸線の始発駅として建てられた最初の長浜駅で、現在日本でもっとも古い駅舎として「鉄道記念物」に指定。文明開化を伝えるイギリス式の珍しい建物として一般に公開されています。

長浜鉄道スクエアの建物入口手前・右側には、開館時間・休館日・入場料金などの案内があり、その奥には真っ赤な線路を展示しています。

こちらがその真っ赤な線路、旧長浜駅開業の1882年3月当時から使われていた「旧長浜駅 29号分 分岐ポイント部」です。

イギリスのキャンメル社から輸入されたもので、本線と計重台線(貨車の重さを測る設備)の2度の務めを遂行、駅構内で約80年にわたって使われてきた現存最古のポイントとして存在する貴重な文化遺産です。

長浜鉄道スクエアの建物入口に入り、右側の受付で入館券を購入すると、パンフレットをもらえます。料金は大人300円、小中学生150円と、かなりリーズナブル。

こちらが建物入口にあった館内アップです。

これから滋賀県の鉄道博物館「長浜鉄道スクエア」の3つの施設の写真を交えながら、詳しくご紹介していきますね。

 

現存する日本最古の鉄道駅舎「旧長浜駅舎」

長浜鉄道スクエアの建物入口にある1つ目の施設「旧長浜駅舎」は、現存する日本最古の鉄道駅舎です。

1880年に着工、1882年3月10日の鉄道開通と同時に完成。東西24.5m/南北9.7m、木骨構造の明治初期としては画期的な石灰コンクリート造り2階建ての建物で、イギリス人の技師・ホルサム氏が設計を担当・ホルサムの監督のもと神戸の稲葉弥助氏が工事を請け負った記録が残されています。

江戸時代の景観が残された当時には大変珍しい洋風の建物で、壁の厚さは50cmもあり、窓枠や出入口には当時人気があった赤レンガを使用。日本で初めて新橋~横浜間を鉄道が走ってからたった10年しか経っておらず、「駅」という存在も珍しい時代だったため、たくさんの人々が陸蒸気(おかじょうき)を「一目見たい」「一度は乗ってみたい」と長浜を訪れたそう。

その後1903年に現在の長浜駅の場所に新しい駅舎が完成し、旧長浜駅舎は約20年間に渡る長浜駅としての役割を終えました。その後倉庫として使われていましたが、1958年10月に現存する日本最古の駅舎として「鉄道記念物」に指定。現在は明治の鉄道の姿を現代に伝える歴史遺産として大切に保存されています。

長浜鉄道スクエアの建物入口に入ってすぐ・現在受付のあるこの空間ですが、当時は長浜駅の「三等待合室」だったそう。右奥には改札口の案内も残されています。

三等待合室の左奥コーナーには「出札口(しゅっさつぐち)」があり、その上には時刻表と運賃表を提示しています。当時はここで切符を購入していたのですね。

当時の旅客運賃は一等・二等・三等に分かれていて、三等待合室の左側手前に「一等二等待合室」への入口がありました。

こちらが「一等二等待合室」の中の様子です。当時の記録によると、ここにはビロード張りのクッションの長椅子が3脚置かれ、八角型の釣ランプが取り付けられていたそう。一等二等待合室は上流階級の人々が利用していたので、確かに三等待合室の質素な雰囲気と比べると納得の空間ですね。

一等二等待合室の奥には「休憩室」と「倉庫係室」がつながっていました。写真の手前が休憩室、奥が倉庫係室です。

倉庫係室には多数の荷物が置いてあり、それぞれ「大阪駅行」「神戸駅行」など行き先の札がついていました。倉庫係がここから鉄道車両まで運んでいたのでしょうか?

倉庫係室には、畿内・北陸・中京の3方面を結ぶ駅として建設された「長浜停車場構内図」や、片面ホームで行き違いの線路だけがある簡素な駅「高月停車場構内図」の資料も展示しています。

倉庫係室の奥には、「世話係室」と「駅長室」がつながっています。駅長室では机・備品・駅長の制服などを展示し、当時の様子を再現していました。

駅長室の展示資料によると、長浜駅の初代駅長は(のちに初代東京駅駅長となる)高橋善一氏。長浜駅は、なんとあの東京駅よりも前に作られていたのですね。

高橋善一氏が生前語った話によると、1882年の開業当初は柳ヶ瀬駅まで7つの駅長を兼任。自ら列車に乗り込んで白と赤い木札(=切符)を売っていたとか。また当時のお客が出すお金には天保銭・文久銭・一厘銭が入り混じっていたため、運賃集計に頭を痛めていたと語り伝えられているそう。

旧長浜駅舎の改札口奥には、ちょっとした通路があり、子どもに人気のかおだし看板があったり、

日付入りの記念撮影コーナーも設置していました。長浜鉄道スクエアを訪れた記念に、家族で写真撮影はいかがでしょうか。

日付入りの記念撮影コーナーの上を見上げると、大きなレバーの信号テコを操作して信号機本体の腕木の位置を変える「腕木式信号機(うでぎしきしんごうき)」も展示してありましたよ。

日本で最も古いとされる「旧長浜駅舎」では、長浜に鉄道が開通した130年前の駅を再現しているため、当時の人たちの様子に思いを馳せることができました。

 

本物のSL列車とディーゼル列車を展示する「北陸線電化記念館」

長浜鉄道スクエア・旧長浜駅舎の右奥に位置する2つ目の施設「北陸線電化記念館」では、本物のSL列車とディーゼル列車の2つの保存車両を展示しています。

北陸線田村~敦賀間は、日本の鉄道において初めて長距離で交流電化された区間です。かつて北陸本線米原~福井間では、途中で険しい山地を越えるための急な坂やトンネルが数多く、蒸気機関車が引っ張る列車の乗客が煙に悩まされ、列車の走行スピードも輸送力も低く抑えざるを得ない課題があったそう。そこで長いトンネルを新しく掘り、電化・複線化して輸送車を増すことを計画。1957年に田村~敦賀間を複線化・交流で電化され、1962年に日本初の北陸トンネルが開通・福井まで電化されました。

北陸線電化記念館では、かつて電化直前まで活躍した「蒸気機関車D51形793号機(SL列車)」と、電化後に登場した「交流電気機関車ED70形1号機(ディーゼル列車)」の2車両を歴史的資料として並べて保存・展示しています。

こちらが北陸線電気記念館の入口です。

北陸線電化記念館に入って、手前に展示の赤い保存車両が「交流電気機関車ED70形1号機(ディーゼル列車)」です。

ED70形1号機は、日本初の営業用60ヘルツの交流電気機関車で、交流の電気機関車であることを示す赤色に塗られて19両製造されました。

北陸線電化記念館に展示されているのは、1957年7月に三菱電機(株)で製造、田村~敦賀間の交流電化区間で1975年4月まで18年間活躍した車両で、走行距離は1,473,000km、地球を約37周分なんだそう!

ED70形1号機のこちらの階段を上がると、車両内の運転席を見学・体験できます。

こちらがED70形1号機の運転席。たくさんの装置が並んでいますが、鉄道や機械好きの方なら興味深く愉しめそう。

北陸線電化記念館には、電気機関車に関する詳しい資料も複数展示。電気機関車の種類や歴史についても学ぶことができます。

ED70形1号機の奥に展示の黒い保存車両が「蒸気機関車D51形793号機(SL列車)」です。

D51形793号機は、そのダイナミックな雄姿から愛称「デゴイチ」で広く親しまれている蒸気機関車で、全部で1,115両も製造されました。

北陸線電化記念館に展示されているのは、1942年11月18日に三菱重工業(株)で製造、1970年まで27年活躍した車両で、走行距離は1,784,000km、地球を44周まわったことになるそう!

真っ黒な煙をあげて力強く走るデゴイチは、カッコいいSL列車のイメージが強いですよね。

D51形793号機(デゴイチ)のナンバープレートは、昭和レトロな雰囲気。車両の横にある階段を上がると、車両内の運転台を体験できます。

こちらがD51形793号機(デゴイチ)の運転席、難しそうな装置がたくさん並んでいます。実際に運転席に座って運転台から見える景色を体験したり、運転手になったつもりで写真撮影も愉しいですよ。

北陸線電化記念館には、当時使われていた壁掛け時計や、東海道本線の各駅紹介などの資料も展示しています。

北陸線電化記念館の2階には、屋外の展望デッキも併設。目の前には本物の北陸線の線路があり、タイミングが合えば電車が目の前を走り抜ける姿を見られるそう。間近に電車が走り抜ける瞬間の迫力・音・風を体験でき、写真の撮影ポイントとしてもおすすめですよ。

北陸線電化記念館の2階からは、館内に展示されている2つの保存車両を上から見下ろすことも可能。普段鉄道列車の上部を見ることはあまりありませんが、この機会にじっくりと観察できます。

ちなみに北陸線電化記念館には、駅長さん制服の試着コーナーもあるそう。鉄道好きの子ども連れなら、ぜひ駅長さんの制服を着せて、本物のデゴイチ前で記念写真を撮ってみてくださいね。

 

長浜の鉄道文化を後世に伝える「長浜鉄道文化館」

長浜鉄道スクエア・旧長浜駅舎の左奥に位置する3つ目の施設「長浜鉄道文化館」は、長浜の鉄道文化を後世に伝える資料館です。

2000年10月14日「鉄道の日」にオープン、日本の鉄道文化初期の時代と長浜の発展を見ることができる鉄道文化館です。館内の天井はヨーロッパのターミナルを模した木造のアーチ作りで、日本初の鉄道連絡船に関する資料・鉄道模型車両の展示、昔の写真やジオラマを使って当時の様子を紹介など、明治時代~現在に至るまでの鉄道史を多数展示しています。

こちらが長浜鉄道文化館の入口です。入ってすぐ左側には、琵琶湖汽船はり丸の大きな舵を展示しています。

長浜鉄道文化館に入って右側には、長浜と鉄道に関する資料などを展示しています。こちらは明治20年頃の旧長浜駅の推定模型(ジオラマ)なんだそう。

そのほか、鉄道開通以前の交通マップや、国鉄の新鋭特急のポスター、伝統的な子どもの遊び・どろめんこ(泥面子)などなど。興味深い資料から懐かしいアイテムまでたくさんあるので、ゆっくりと見て学ぶことができますよ。

長浜鉄道文化館の奥のコーナーには、北陸本線鉄道略年表(戦前・戦中まで)や、

鉄道がテーマの懐かしいレコード、ブリキのおもちゃなども並んでいました。

蒸気機関車がどうやって動くのか?ボタンを押すことでその仕組みを学べる装置も設置していました。

長浜鉄道文化館・奥の階段を上ると、2階に「HOゲージ・鉄道ジオラマ」があり、今の長浜駅を再現した鉄道模型を愉しめます。

日本で主な鉄道模型は大きく分けて「Nゲージ」「HOゲージ」の2つがありますが、それぞれ本物の車両に対する大きさ(縮尺)が違っています。

「Nゲージ」は、コンパクトサイズで設置スペースに場所を取らず、日本では最も普及しているため商品展開が多いのが特徴です。それに対し「HOゲージ」は、Nゲージの約4倍とサイズが大きくその分設置スペースが必要ですが迫力満点!ただし商品展開は少なくなっています。

HOゲージでは、Nゲージだと簡略化されているような部分も細かく再現され、よりリアルな鉄道ジオラマを愉しむことができるのが魅力なんだそう。

長浜鉄道文化館では、自分で操作して「HOゲージ・鉄道ジオラマ」の鉄道模型を走らせることができます。

こちらのスイッチ「うちまわり」「そとまわり」いずれかを押すと、鉄道模型が走り出します。本物そっくりのジオラマで、長浜駅から電車が走り抜ける姿は迫力満点。鉄道信号も本物と同じように切り替わるので、大人も子どもも夢中になってしまいます。

長浜鉄道文化館の左側にある鉄道おもちゃコーナーは、遊び心くすぐる空間を展開。お好みのおもちゃのプラレールを実際に走らせたり、えほんコーナーにある鉄道や乗り物に関する絵本を自由に読んだり。

トンネルアーチ作りを体験することも可能。こちらの写真は完成後のものです。

壁側のコーナーには、北陸線の歴史資料を展示。1882年に建設された貨物取扱所の基礎に使われていた煉瓦、七尾線西岸駅で使われていた今も動き続ける100年前のアメリカ製時計、長浜駅の第3代目駅舎(昭和25年~58年)に使われていた駅名標とのりば案内標、北陸本線庄川鉄道の銘板など、貴重なものも多数展示しています。

たくさんの新幹線クイズもあるので、鉄道好きの方・子ども連れの方なら挑戦してみてはいかがでしょうか。

 

GFC奥琵琶湖レイクシア滞在時は、長浜鉄道スクエアに立ち寄るのもおすすめ

滋賀県の鉄道博物館「長浜鉄道スクエア」では、3つの施設をとおして、日本の鉄道の歴史をみて・ふれて・知って、詳しく学ぶことができます。

日本最古の鉄道駅舎「旧長浜駅舎」で130年前当時の人たちの様子に思いを馳せたり、電化前後に活躍した2つの保存車両を「北陸線電化記念館」で間近に見学したり、長浜の鉄道文化を伝える資料館「長浜鉄道文化館」で鉄道ジオラマの鉄道模型を愉しんだりと、3施設それぞれの魅力あり、さまざまな体験もできて見応えたっぷり。鉄道好きの方・子ども連れの方はもちろん、そうでない方もきっと愉しめるはずです。また受付奥のお土産コーナーには、子どもが喜びそうな玩具もたくさん販売していたので、ぜひ立ち寄ってみてくださいね。

滋賀県のびわ湖北端部にある「GFC奥琵琶湖レイクシア」に滞在時は、長浜鉄道スクエアまで車だと45分程度でアクセス可能。リーズナブルな料金で愉しめる観光スポットなので、気軽に立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

◆長浜鉄道スクエア
住所:〒526-0057 滋賀県長浜市北船町1-41
電話番号:0749-63-4091
開館時間:9:30~17:00(入館は16:30まで延長)
入館料:大人300円、小中学生150円
休館日:12月29日~1月3日
駐車場:隣接して有料の駐車場あり
公式サイト:https://kitabiwako.jp/tetsudou/

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